風になりたい2012

hello 今晩は。

君は、風になった事があるかい?
いや、ちがう…そうじゃない…

僕は昔、中型のバイクに乗って居た。もう5、6年前の話さ。
当時僕は古いバイク、そう、言わば旧車ってやつに乗って居た。
そのバイクが甲州街道を走っている最中にパーツがどんどん分解してきて
終いには走れなくなって、その勢いでバイク屋に突っ込んでその単車を
売っぱらって『バイク』が『焼き肉』に変わってから僕はバイクに乗っていないんだ。

そして今日、とある筋からバイクを1日借りたんだ。走って来たよ。久しぶりに。
相変わらず『バイク』と言う物は最高だった。まだ今の時期はちょっと寒かったけど。
行きたい所はすぐに行けるし、見慣れない景色が流れるだけでも充分面白い。
素敵な事だと僕は思う。

そんな道中、僕はカップルでお馴染みの『お台場』に流れついてしまった。
せっかくなので海辺をゆっくり歩いてみました。
夕暮れの時間帯のせいか海辺に停滞するカップルも多く、一人で海辺を歩く僕は
少し気まずさを感じた。
よせてはかえす波を観ながら下を向いて歩いていると目の前に鳩がいました。
『あ〜可愛いなあ』と思ったのもつかの間。気がついたら鳩に囲まれていました。
打ち寄せる波、差し込む後光を鳩と一緒に観ながら
『あ〜ずっとここにいたいな』と思いましたが
『駄目駄目!帰らなくちゃ』と思い鳩を解散させました。
帰る理由等何処にもないのだけれども…

夜、バイクを返却し帰路に向かう途中、どうしても一杯飲みたくなった。
僕は入った事の無い赤提灯に飛び込んだ。
ドアを開けると電気が半分消えた薄暗い部屋の中に
店主と女将が正気が抜けた様に座っていた。
挨拶も簡単に、少しだけ飲ませてもらえる様にお願いした。
そこの店内にはおびただしい程の『力士グッズ』が飾られており
『私相撲好きです』サウンドが爆音で鳴り響いていた。
しかし店内には店主と女将。そして私という完璧な3ピースになっており
トークが無いのは良くないと思い、興味があんまねー相撲の話をふってみた。
そしたらさ…

思いっきり食いつきやがんの!
マシンガントークすぎて帰るタイミングわかんね!
相撲部屋業界の単語だされても俺全くわかんね!
ってゆーか店主の滑舌が悪くて何言ってんだか全然わかんね!
女将は電気点いてない所にひっそり座ってるからいるんだかいねーんだかわかんね!

わかんね!わかんね!
わかんね!わかんね!(エコー)


帰路の途中、またバイクを借りる事を決意した。


おやすみなさい。

ひろしパール